不動産売却|騙されたくないのに根拠なき高値査定を鵜呑みにする売主様の心理

こんにちは。「売却の道しるべ」宅地建物取引士・売却エージェントの津田です。

不動産を売買する際、誰もが「1円でも高く売りたい」「絶対に騙されたくない」と思いますよね。しかし、実際には、「騙されたくないと思っているはずなのに、根拠のない高値査定を鵜呑みにして損をしてしまう」ケースが多々あります。今回は、私が実際に担当した中古戸建の仲介事例をもとに、高値査定に潜むリスクと、失敗しないための不動産売却の心構えについて解説します。

3,000万円超では売れないと考えて査定したのに…

とある中古戸建の売却相談において、当社を含めて5社の不動産会社が査定を行いました。結果は以下のとおりです。

  • 当社以外の4社: 3,000万〜3,500万円の査定額(その地域に根付いた4社)
  • 当社(津田): 2,500万円の査定額

他社の最高値と当社提示額で、実に1,000万円もの開きがありました。売主様から見れば、その地域に根付いた4社の提示額より遠方から来た当社だけが大幅に低い査定額を提示しているため、普通なら最初に候補から外されてもおかしくない状況です。しかし、最終的に当社は、売主様より専任での売却依頼をいただきました。

なぜ 当社を選んでくれたのか?

なぜ、当社に任せてくれたのかを尋ねたところ、「生成AI(ChatGPTなど)」を使って独自に市場を調べたところ、私が言っていることが妥当と考えたから、とのこと。AIに所有物件の条件を入力して判定させたところ、「3,000万円以上での売却は厳しい」という客観的な回答が得られ、「津田さんの言っている2,500万円という数字が正しいのだろう」と判断されたようです(生成AIを査定に活用するのに時代を感じます…)。

結果として、2,580万円で売り出しを行い、2,500万円で無事に成約となりました。

ただ、私は査定段階において、極端にいえば、価格がいくらであっても、成約に至るまでにはおそらく時間がかかるだろうと考えていました。福岡市内のように流通性の高いエリアであれば、相場もしくは相場に近い価格帯で売りに出すと、ものの数週間で成約に至りますが、郊外で不動産需要の低い(流通性の低い)エリアとなるとそうもいいきません。今回のケースにおいても、成約まで約9か月かかりました。

ちなみに、この買い手さんは、本体価格+諸費用・改装費用の総額予算を3,000万円に設定し物件を探していました。ここでよく考えてもらいたいのは、もし、3,500万円という査定価格を信じて売却をスタートしていたらどうなっていたでしょうか?売出し後、何ヶ月経っても内覧すら入らず、結局3,200万→2,900万→2,580万…みたいな形で段階的に値下げを繰り返すことになります。こうなると、買い手を見つけるまでにともすれば1年以上かかるかもしれませんし、最悪は売れないことだってあり得ますよね。

業界の構造を知らない売主様はカモにされる

根拠のない高値査定。そもそも、なぜ多くの不動産会社はそれを行うのでしょうか?その理由はシンプルで、「とにかく媒介契約(売却の依頼)が欲しいから」です。仲介手数料は成功報酬です。自社の「商品棚(在庫)」に物件を並べなければ、手数料を得るチャンスすら生まれません。売主様に「うちはこんなに高く評価してますよ!」と喜ばせ、媒介契約を取るための「撒き餌」として高値査定を行っている会社が存在します。

冒頭にも申しあげましたが、1円でも高く売れることは売主様にとってうれしいことです。ただ、仲介査定の金額はあくまで「参考価格」であり、買取査定のように、査定した会社が買い取る価格ではありません。仲介での売却においては、高値で査定されたからといって、その金額で売れる保証もありませんし、売れなかったときの責任も不動産会社は一切負いません。このケースにおいて、誰が騙されたかといえば、売主様にほかなりません。

不動産売却で騙されないためには

根拠のない高値査定に惑わされないために、売主様ができる対策は「ご自身で相場・市場のリアルを知ること」です。

  1. ポータルサイト(SUUMOやHOME’Sなど)で類似物件調べる ご自身の物件と似たエリア・築年数・広さの物件がいくらで売り出されているか、複数チェックしてみましょう。
  2. 査定額の「根拠」を追求する 「なぜこの金額になるのか」の裏付けデータや類似成約事例をしっかり提示してくれる不動産会社を選びましょう。

大切な資産だからこそ、甘い言葉ではなく「現実的な数字」と「誠実な提案」をしてくれるパートナーを選ぶことが成功への一番の近道です。福岡での不動産売却に関するご相談や、「うちの査定額って適正?」という疑問がございましたら、ぜひお気軽に公式LINEよりお問い合わせください!