こんにちは。津田です。
このブログを書いているのは6月29日(月)の深夜なんですが、おかげさまで、先週末にマンションの売買取引が2件成立し、さらに、7月中旬にもう1件の契約を控えているなど、現在進行形で多くのマンション売買に携わらせていただいております。
実際に多くのマンション売却を手掛けているこの機会に、これからマンションの売却を検討されている方、あるいは、現在まさに売却活動中という方に、ぜひ知っておいていただきたい重要なポイントをお伝えしたいと思います。
正直なところ、マンション売却において「あるある」のネックポイントなんですが、後述する2点を事前に押さえていないと内覧を経て購入意欲がホットになった買い手に水を差す恐れがあります。水を差すだけならまだしも、それをきっかけに購入見送りとなると、売主の立場でみれば「機会損失」。売主であるあなたがこの2点の内容を知っていれば、売却を託した担当者に共有すべきだし、あなたが把握していないのであれば、担当者に「事前に」把握するよう、働きかけましょう。
ネックになり得るポイント①:修繕積立金の値上げ予定(一時金負担の有無を含む)
1つ目のポイントは、「修繕積立金の値上げ予定や、将来的な一時金の徴収計画をしっかりと把握できているか」という点です。
「うちはまだ築5年だから大丈夫」、「新築時に長期修繕計画案をもらっているから問題ない」と思われている方も多いかもしれません。しかし、昨今の物価高騰や人件費の上昇により、数年前の修繕計画はすでに通用しなくなっているケースが多発しています。管理組合や管理会社が機能しているマンションほど、現在の状況に合わせて計画をシビアに見直しているのです。
実際、前述した7月中旬契約予定の物件(築5年)でもこれがネックとなりました。 詳細を調べたところ、今から7年後に予定されている第1回大規模修繕工事において、現在の積立額だけでは費用が足りず、今回売却する住戸の持ち分で換算すると、今後7年間で約160万円もの追加資金を捻出しなければならないという状況でした。
これを買主様の目線で考えてみてください。 「気に入ったマンションを購入した途端、近い将来に160万円もの追加負担が待っている」と後から知らされたらどうでしょうか。非常にネガティブな情報ですよね。
もし、この事実を販売開始当初に把握していれば、「あらかじめ160万円分を価格設定に反映させておく(値引きのバッファとして持っておく)」といった戦略が立てられます。しかし、買主様の購入意思が95%ほど固まった契約直前のタイミングで「実は……」と後出しで伝えてしまうと、買主様の気持ちは一気に冷め、最悪の場合は契約キャンセル(機会損失)に繋がってしまいます。
だからこそ、売却をスタートする段階で、管理会社から「重要事項調査報告書」を取り寄せ、修繕積立金の値上げ予定の有無を正確に把握しておくことが極めて重要なのです。
ネックになり得るポイント②:敷地内駐車場の空き状況と運用ルール
2つ目のポイントは、「敷地内駐車場の空き状況」と「運用ルール」の確認です。
マンションの購入を検討される30代〜40代の子育て世代の多くは、お車(ワンボックス等高さのある車種)を所有されており、敷地内駐車場の有無を重視されます。しかし、単に「駐車場に空きがあります」という情報だけでは不十分です。
こちらも、まさに私が本日契約をお手伝いした買主様のケースをご紹介します。 その買主様は当初、私が福岡市東区でお預かりしていた別のマンションを大変気に入られていました。立地も間取りも価格も申し分なかったのですが、たった1点だけ、どうしても割り切れないネックがありました。それが「駐車場」です。
そのマンションは、売主様が使っていた区画を引き継いで使える状態ではあったのですが、その区画が「自走式(立体)駐車場の屋上(3階部分)」だったんですね。そして、その駐車場にはエレベーターがありません。 買主様には小さなお子様がいらっしゃり、日常的に車を使って買い物に行かれます。お子様を抱っこし、スーパーの重い荷物を持って、エレベーターのない立体駐車場の3階まで毎日昇り降りするのは、想像以上に過酷なストレスとなります。
買主様は「1万円高くてもいいから、1階部分の平置きに空きが出たら移動したい」と希望されていました。しかし、そのマンションの運用ルールを詳しく確認したところ、「一度区画を契約したら、敷地内での区画移動は一切認められない」という非常にイレギュラーなルールになっていたのです。つまり、一度3階を契約したら、ずっと3階を使い続けなければなりません(ほかに空き区画なし/売却時に承継可につき空き区画が出る可能性も低い)。
結局、これが決定的なネックとなり、買主様はその物件を諦め、同じエリア内にある別の「駐車場にエレベーターがあるマンション」で本日ご契約となりました。ちなみに、そのマンションの敷地内駐車場の運用ルールは、一般的なものです。
このように、駐車場のルールが購入検討に多大なる影響を及ぼす可能性があるのです。
まとめ:機会損失を可能な限り防ぐには「重要事項調査報告書」の早期取得にある
今回ご紹介した「修繕積立金の値上げ予定」も「駐車場の詳細な運用ルール」も、すべて売却活動の前に「重要事項調査報告書」や「管理規約」「過去の総会議事録」などをしっかりと確認していれば、事前に把握できることです。
ただ、これらの書類を管理会社から取り寄せるには、数万円(今回の事例では約5万円)の費用がかかります。そのため、不動産会社によっては、「手出しの費用を抑えるため」や「売れるか分からないから」という理由で、買主様が見つかる直前までこれらの書類を請求しないところもあります。
しかし、事前の情報収集を怠り、契約直前にネガティブな事実が発覚して破談になるリスクを考えれば、最初にしっかり調査しておくことこそが、売主様の利益を守る唯一の方法です。
今後、不動産会社に売却相談をされる際は、ぜひ「重要事項調査報告書等の書類は、売却活動を始める前に取得してますか?」と担当者に投げかけてみてください。「ある程度買い手の目星がついたら取得します」なんて言おうもんなら、私だったら自分の大切な資産である不動産の売却なんて頼みません!良質な会社、担当者を把握するための「ふるい」となる質問だと思いますのでぜひ実践されてみてください。不動産売却で失敗しないために、信頼できるパートナー選びを徹底しましょう。
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