こんにちは、津田です。
今回は、ここ最近、無事成約に至った土地の売却実例をもとに、一見すると「時短」になりだけど、実は大きなリスクをはらんでいる「確定測量と建物の解体を同時に進めることのリスク」について書きたいと思います。古家付きで比較的広めの土地の売却をご検討されている方には、参考になるエピソードかと思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。
買い手の購入条件
今回、売却をお手伝いした物件は、福岡市東区にある比較的広めの土地でした。 敷地内には家屋(空家)が残っている状態での売り出しです。この物件に対して、購入を希望されたのは「不動産会社(法人)」でした。 買い手側の意図としては、この広い土地を購入・引き渡された後に「分筆(土地を2つに分けること)」を行い、分譲住宅を2棟建築して販売するという、いわゆる土地の「仕入契約」です。こうしたケースにおいては、一般的に、以下のような購入条件が買い手側から提示されます。
① 確定測量を実施・完了させて引き渡すこと
② 古家を解体して更地の状態で引き渡すこと
それぞれ、着手から完了までにかかる期間は、①がおよそ2,3ヶ月、②がおよそ1ヶ月弱(ともに、規模によります)かかりますが、①が完了してから②を実施するのが私のご提案の基本線です。売主様からすれば、「確定測量と解体工事を同時に進めてしまえば、早く引き渡しができていいんじゃないの?」と思われるかもしれません。しかし、ここに、売主様が絶対に知っておくべきリスクが潜んでいます。
解体した家は復旧されません
なぜ、順を追って進めるべきなのか。同時進行をすることによる最大のリスクは、古家を解体した後に契約が白紙になることです。確定測量とは、お隣さん(隣地所有者)や役所と境界の立ち会いを行い、全員の合意を得て初めて成立するもの。しかし、売主様とお隣さんとの過去の経緯や関係性、あるいは隣地が空き家で所有者と連絡がつかない、といった理由から、「境界立ち会いがどうしても調わない」可能性は拭えません。
売買契約では通常、売主様を保護するために、確定測量図が作成できなかった場合は契約を白紙解除することができるという特約を入れます。もし、測量と同時に解体工事を進めてしまっていたらどうなるでしょうか? 建物をすべて壊し終わった後に、測量が不調に終わり契約が「白紙」になってしまった場合、壊してしまった建物は二度と戻ってきません。そして、解体にかかった費用も、買い手側からは一切担保(補償)されないのです。
安易に「早く終わるから」という理由だけで同時進行を勧める会社には注意してください。まずは、基本の順序(測量を終わらせてから解体へ進む)を押さえたうえで、ご自身のスピード感や希望時期に合わせた動き方を、信頼できる担当者としっかりと話し合われることをお勧めいたします。





